Amazfit T-Rex Ultraフィールドテスト座談会 「旅ねしあ」

Amazfit T-Rex Ultraフィールドテスト座談会 「旅ねしあ」

シーカヤックガイドのためにあるような スマートウォッチ「Amazfit T-Rex Ultra」

 

シーカヤックという手漕ぎの舟を使い、島から島をつないで人力で旅することで自然のすばらしさ、アウトドアの魅力を発信しようと2014年からチームとして活動を始めたチーム「旅ねしあ」。そのメンバーである南平 純、運天 陵、佐藤瑛彦の3名のシーカヤックガイドが、この夏「Amazfit T-REX Ultra」をフィールドでテスト。そのレビュー、そして彼らの目指す海外カヤック遠征でのスマートウォッチの可能性などについて話をうかがう座談会を行なった。

 

Contents

Amazfit T-REX Ultraフィールドテスト座談会 「旅ねしあ」メンバー

・人力で旅をするおもしろさに魅せられた3人衆

・シーカヤックガイド業とAmazfit

・GPSデータの活用について

・3人が使っているウォッチフェイス

・今後の遠征について

 

Amazfit T-REX Ultraフィールドテスト座談会 「旅ねしあ」メンバー

(左から)

佐藤瑛彦

ラフティングガイド、トレッキングガイドを経てニュージーランドでシーカヤックに出あう。帰国後は八重山諸島でシーカヤックガイドの修業を積み、その後1年間中南米を旅したのち、2018年からシーカヤックガイドとして和歌山県のガイドカンパニー「アイランドストリーム」に勤務。またアウトドア店舗スタッフとして「パタゴニア神戸店」にも在籍。1987年生まれ。

南平 純

海沿いの街・三重県伊勢市に生まれ、子どもの頃は“海ぎらい”として過ごすが、脱サラしシーカヤックガイドの道へ飛び込んだ異色の経歴を持つ。6年間の八重山諸島でのガイド修業期間を経て、2017年に地元・伊勢志摩にガイドカンパニー「OUTISE」をオープン。ワンデイツアーをメインに伊勢志摩の海をシーカヤックで案内するほか、常連向けにキャンプツアーも幅広くアレンジ。1986年生まれ。

運天 陵

生まれは沖縄、大学で高知県へ。学生生活を通じて海の魅力にとりつかれ、卒論制作などでシーカヤックと使ってフィリピンや四国、南西諸島を漕ぎまわり、また薩摩半島から地元・沖縄本島までを漕いで帰省するなど長距離の旅をする。その後八重山諸島でガイドとして修業を積み、2020年沖縄本島にて「Sunwave Kayaks」を開業。世界自然遺産やんばるを含む沖縄本島北部をメインにガイドを行なう。1987年生まれ。

 

人力で旅をするおもしろさに魅せられた3人衆

 

―― みなさんがチームを組んで活動されるようになったきっかけは、八重山諸島でのシーカヤックガイドの修業と聞きました。

 

南平 純(以下、南平) はい、そうですね。僕らは全員沖縄県の石垣島にある「ちゅらねしあ」というシーカヤックのガイドカンパニーで修業を積みながら、ガイドとして活動していました。そのカンパニーの代表が八幡 暁さんという方だったんですが、その方自身が海洋冒険家として国内外へ遠征に出られていたこともあって、人力で旅することのおもしろさをつねに身近なところで感じていたんですよね。


―― 時期は違えど、みなさんはその後「ちゅらねしあ」を卒業され、地元でご自身のガイド会社を立ち上げたり、シーカヤックガイドとして活動されたり。今年の20231月には、いよいよ海外遠征にも出られたんですよね。旅ねしあのブログを拝見しましたが、23日間ほぼ休む日なく漕ぎっぱなしという……。

 

佐藤瑛彦(以下、佐藤) そうですね。インドネシアのバリ島から4つの島を経て、コモド島という島までの全長741kmを、23日間をかけて漕ぎ渡りました。この海峡に関しては、過去に手漕ぎの舟で渡ったという記録がないはずですので、貴重な記録がとれたと思います。

 

―― スルっと簡単に海峡横断の話をされていますが……お聞きするところによると、もしかするとやばいかも……という危機的状況にもたびたび合われたとか。

 

運天 陵(以下、運天) そうですね。もともとシーカヤックで漕ぎ渡るエリアとして情報がまったくありませんでしたので、島と島の距離を確認することはもちろんなんですが……事前にやれることと言えばGoogle Earthでキャンプ地にできる浜や食料調達できる集落を探すくらい。どうしても現場判断が多くなりました。

 

―― しかもおどろいたのは、初めて漕ぐ海外の海であるにも関わらず、GPSでつねに位置確認をしない……ということにこだわったとか。その理由はまたあとでお聞きしたいと思います。ここから先は、この夏の間にみなさんに使っていただいた「Amazfit T-REX Ultra」についてお話を伺っていきたいと思います。

 

シーカヤックガイド業とAmazfit

―― スマートウォッチ、これまでみなさんは使ってこられたことがありますか?

 

南平 じつは僕ら3人とも初めてなんですよ。Apple Watchも使ったことはなく、それぞれガーミンやプロトレックといったアウトドア用のウォッチを愛用してきました。

 

―― 今回はシーカヤックガイドとして仕事中にガンガン使ってください、というオーダーでしたが、南平さんは実際どうだったですか? 

 

南平 いやもう本当に仕事中めっちゃめちゃ活躍していますね! 僕はスマホは基本的に防水バッグに入れてシーカヤックに積んでいる状態でお客さんをガイドするんですが、今までは電話が鳴っても気付かないことが多かったけど、来た連絡を取り逃さなくなりました。

 

佐藤 ああ〜わかる、それ。そうだよね。

 

 

 

南平 まさにスマホが腕についている感覚ですよ。電話がかかってきたり、LINEでメッセージが来るとブブッと震えて教えてくれますから、大事な連絡をほぼすべて拾えるようになりました。しかも海水に濡れても問題ないという、実践向きなのも最高ですね。

 

運天 え、LINEも見られるんですか。それは知らなかった。でも僕もツアー中、普段はお客さんからの電話にほとんど気付かないから、予約が……。

 

―― 大事なツアーの予約を取り逃さなくなった……ってことですか?

 

運天 そういうことです(笑)

 

佐藤 LINEはスマホにインストールしてるZEPPアプリの設定で通知させることができるよ。僕はスマホでツアー中のお客さんの写真を撮ることがあるのでライフジャケットのポケットにスマホを入れているんですけど、浜に上陸してライフジャケットを脱ぐと、うっかりスマホから離れてしまうんですよね。

 

―― あ〜なるほど! そういうとき電話が鳴ってもAmazfitで気付けるということですね。

 

佐藤 そうなんです。浜で料理しているときなんかも通知で気付きますね。あと、ツアー中お客さんを連れてシュノーケリングもするんですが、近くにスマホがあれば水中でも通知を感じるので、離れすぎさえしなければ重要な連絡に気付けるのが本当に便利です。

 

 

運天 海に潜るというシチュエーションで言えば、水中での液晶での見やすさにはおどろきましたね。キャンプツアーだと海に潜って魚を捕ることもあるんですが、海のなかでつねにクリアに情報が見られて便利です。

 

―― そうか、みなさんは海上だけでなく、水中もフィールドなんですもんね。

 

佐藤 そうなんですよ。濡れた手で画面を触ったときの反応がめちゃくちゃいいのも助かっています。iPhoneなんかと比べ物にならないくらいタッチが効きますね。もちろん水中ではスクロールはできませんが、4つの物理的なボタンでも操作できますから、そこは影響はないかなと思っています。

 

運天 画面の話でいうと、ひとつ気になることがあるんですよ。

 

―― といいますと?

 

運天 シーカヤックって海にいる間ずっと繰り返しパドリングで左右漕ぐじゃないですか。パドリングで手を動かして顔の近くに手が近づくたび、左手に装着しているAmazfitが反応してパッ、パッと画面が毎回付くんですよね。これって結構気になるんですけど、そういうもんですか?

 

南平 ずっとそのままにしてるの?

  

運天 そう。

 

南平 それも設定できるよ。いちいち反応しないように設定してしまうと確認したいときに点灯しなくて不便と思うから、逆にたとえば朝の7時から夜の7時まで常時点灯させて、あとの時間帯は普通に自動スリープをかけるとか、自由にやれると思う(※1)

 

運天 なるほど……。知らないこと、まだいろいろあるな。

 

1:T-Rex Ultraは時間設定による画面の常時点灯、通知制限、睡眠モード起動が可能。 

 

GPSデータの活用について

 

―― ちなみに、Amazfitにはたくさんのスポーツモードがありますが、ずばり「シーカヤック」というモードはまだ実装されていませんよね。今回みなさんは海上にいるときはどのモードで試されましたか?

 

南平 僕は海を漕ぐときは「屋外ボート」というモードでやってみました。「カヤック」というモードもあるんですが、カヤックでは地図が表示されないんですよね。やはり地図が便利ですので。

 

―― カヤックはもしかすると「リバーカヤック」を意味しているのかもしれません。

 

運天 あ、なるほど。確かに用途が違うのかもしれないですね。

 

―― ちなみに、初歩的な質問ですが、地図が出ることによってなぜ便利なんでしょうか。

 

 

南平 航跡としてGPSの軌跡が残るんですよ、マップ上にリアルタイムに。この写真で言えば、黒いところが陸、白いところが海。青いラインが漕いだ航跡ということになります。

 

―― なるほど。それってたとえば、本来ならこういうルートで漕がないといけないのに、ちょっと大回りしすぎだなとか、流されているなということが明確に地図上にラインで出るということですね。ちなみに、それが見えるとどう助かるのでしょうか。細かくてすみません。

 

南平 潮や風によって本来通る予定のルートよりも流されていることがわかると、どっちの方向を目指して漕ぐべきかが明確にわかるということです。とくにシーカヤックのガイド中はお客さんのペースで進んでいますので、自分ひとりで漕ぐよりも予定のルートがずれぎみになります。そのあとどう動くか、ツアーのスケジュールも立てやすいんですよね。

 

佐藤 僕はZEPPアプリを通じてスマホにインストールしている「ストラバ(※2)」と連携させているんですけど、AmazfitのカヤックモードでGPSモードをオンにして漕いだところ、ストラバにもその軌跡がちゃんと載っていました。

 

2:フィットネスの記録とSNS機能をひとつにまとめたアプリ。おもにGPS機能を利用したサイクリングやランニングなどの記録ができ、SNS上にその活動を公開できる。

 

南平 へ〜! 連携できたんだ!

 

佐藤 僕たちの過去の遠征の記録はストラバで取っています。ストラバはもともとはランニングとかサイクリング用のもので、走った速度や心拍数など細かいデータが収集できるんです。そのストラバのGPSの機能を使って、自分たちの旅をあとで振り返る目的でシーカヤック遠征のGPSログをこれまで記録してきました。その際、iPhoneのストラバアプリでGPSログを取り続けると1日でバッテリーがほぼなくなるんですが……。

 

―― 1日で……!

 

佐藤 そうです。機内モードにしてGPSだけの機能を使う場合でも1日ストラバを使い続けるとバッテリーがなくなるんですよね。で、この前山を歩きに行くことがあって、Amazfitに地図をダウンロードした上でAmazfitGPSログを取ってみたんです。このときは2日間で18時間ほどGPSログを取りましたが、Amazfitのバッテリーは58%残っていました。

 

―― GPSの精度を高めるとバッテリーの減りや早いようですが……。

 

佐藤 そのときが高感度モードだったんですよね。シーカヤックの海上では障害物がないので、GPSログを拾う感度を低めに設定しても充分と思います。3〜4日のシーカヤックツアーでデータを取り続けてもおそらくバッテリーは持つんじゃないかな。

 

赤いラインがダウンロードしたGPSデータ。青いラインが実際に漕いだ航跡

 

南平 Amazfitを使うことで、フィールド調査で初めて訪れる海でも潮流のデータ(速度、方角)を正確に知ることができるし、トレーニングで海に出るときも自分の漕ぐ速度やペースが確認できるのも便利なんですよね。あとGPSと自分の感覚の誤差を埋める練習にも非常に役立っています。

 

運天 漕いだ軌跡が記録できますから、自分のイメージした航跡で漕げているかあとでチェックできるのも便利。あと、お客さんに漕いだ距離なんかと聞かれるときがありますが、航跡が画面上に出るからハッキリ回答できるんですよね。

 

佐藤 そうそう、これまでおおまかに「だいたい5kmくらい」と答えていましたが、「今日は時速3km10.8km漕ぎました」みたいに正確な距離や速度をハッキリ伝えることができます。そっちの方がお客さんもよろこんでくれるし、リアクションがいいんですよね!

 

運天 ちなみに、1km進むごとにブッて震える通知は1km以上にはできないんですかね?

 

―― それは、なぜそう思われるのでしょう?

 

運天 僕ら3人の遠征なんかだと毎日35kmくらいを漕ぐので、移動距離が長いスポーツの場合は5km毎くらいに設定できるといいなと思うわけです(※3)

 

3: T-Rex Ultraではアラート通知される距離も自由に変更することができる。

 

―― なるほど、いろんな要望があるなぁ! ちなみに要望系では、他にどんなものがありますか?

 

佐藤 運動の記録中はその画面しか表示できないので、運動記録中もコンパスなど他の機能も使えるようになるといいですね。

 

 

―― それは確かに。Amazfitのほかのモデルを使っている方も、「登山の記録中はその画面しかみられない」と同様のことをおっしゃっていました。改善希望点ですね。

 

3人が使っているウォッチフェイス

―― シーカヤックガイドの活動を行なううえで、必要な気象関連の情報はどういったものがありますか?

 

運天 方位、日の出・日の入り時刻、気圧、風向・風速、気温、月の満ち欠け。あとは潮汐がわかるといいんだけどなぁ。

 

佐藤 潮汐、みられるから!

 

運天 え、そうなの!?

 

内臓コンパスや気圧計、環境リマインダーを駆使し、周囲の状況をより深く把握できる

 

―― ちなみに、「Amazfit T-REX Ultra」には120を超えるウォッチフェイスがありますよね。自由にダウンロードし、画面に反映させられますが、みなさんがフィールドで使っているウォッチフェイス、ぜひ見たいです。

 

 

南平 僕が愛用しているのは、ほかと比べると情報が少ないですが、日付と時刻の表示がひと目でわかる「digital6」というウォッチフェイスです。秒数のデジタル表示が見やすく、うねりの周期の秒数を計るのにとても便利。あと、最先端のスマートウォッチですが、昔ながらのデジタル表示の“素朴”さが、なんかイキがってない感じで好きですね(笑)。

 

 

佐藤 高電力消費でなく、情報量を少し抑えて見やすいアナログのウォッチフェイス「Texture machinery」を使っています。アナログにしているのはパッと時刻がやはり見やすいからですね。あと秒針が動く感じが好きなんですよね。

 

 

運天 僕が使っているのは「Sim thriving combo」というウォッチフェイス。左上の月の満ち欠け、右下の風速・風向表示。日の出日の入り時刻など、ひとつの画面でパッと見て欲しい情報が分かることが便利です。海上では手が離せない状況のときもありますので、必要情報を得るために操作する回数が少ないのはありがたいですね。

 

今後の遠征について

―― 最後に、冒頭でも触れた「なぜ遠征でGPSを使わないか」ということをお聞きできればと思います。つまり、みなさんは初めて訪れる遠征先の海域では、陸から完全に離れてしまうと自分がいま海上のどの地点にいるかというのは分からないということになりますよね?

 

南平 そうことになりますね。シーカヤックで一番必要な情報って、いま何度の方向に時速何キロの速さで流されているか、ということ。その情報がGPSを使えば簡単に取れます。

 

運天 そのデータを元に逆算できますから、次にどう動けばいいか。

 

―― だけどGPSには頼らない。GPSがない状態では、それをどうやって知るのでしょうか?

 

南平 うーん、わかる方法はないっす(笑)。

 

―― !? ええと、みなさんが海におられて、見知らぬ場所でどれくらいの速度でどっちの方向に流されているか……は、それ以外に知る術はないってことでしょうか。

 

 

南平 ないですね。

 

運天 陸が見えて、遠くても2点のポイントがわかれば、流されている方向は分かります。

 

―― だから、基本的に360度何もない海域にはいかない……?

 

運天 いや、そんなこともないんですよ。

 

南平 島と島の間、40kmを超えるような横断だと周囲360度が海になりますので、潮や風に流されていたとしても正直それがわかりません。

 

―― それ、めちゃくちゃ怖くないんでしょうか? 流された方向に陸があればいいですけど、外洋だった場合……想像するだけで怖すぎる!!

 

南平 正直、一か八かですね。ただ、今まで漕いだ海の経験を元に、潮流や海流などこれから渡る海がどんな海なのか、明確なイメージをもって挑んでいます。ちなみに、前回行ったインドネシアの遠征では、そもそも現地の情報がまずなくて。シーカヤックのフィールドとして有名な欧米とは違い、カヤックとしては未開の地。向こうのインドネシア人から海の情報を教えてくれっていわれたくらい、本当に情報は薄かったです。

 

手漕ぎの舟で来たとわかると、上陸するたび現地の人たちが物珍しさに大集結

 

佐藤 もちろん正式な地図もありませんでした。Google Earthで拡大してプリントアウトしたものを持っていくくらい。地図の縮尺から距離は出せるわけですから、おそらくここは何日間くらいで漕げるだろうとあたりをつけて行くわけです。でも行ってみたら天気が荒れたりして、全然進まない!みたいな想定外なことも多発しました。

 

運天 海峡横断ではヒリヒリする場面もありましたけど……でも、できちゃったんですよ。

 

―― ドキュメンタリー番組なんかでみるようなデータを駆使した遠征計画とはまったく違うんですね……。本当に素朴な質問なんですが、それでもGPSに頼らないのはなぜなんでしょうか?

 

南平 これは、なかなかわかっていただけないかもしれませんが……、先人たちと同じようになるべく現代機器を使わずに、これまで培った経験と感覚を駆使してリスクを背負って海を渡ることに僕らは価値を感じています。GPSの情報に頼らずとも自然の中にはヒントとなる情報がたくさん散りばめられているからです。それらを見逃すことなく五感を使って集めて、分析して、答えを導き出す。この過程こそが遠征の楽しさを感じる瞬間でもあり、大切にしたい要素だと僕らは思っています。それに、リスクを背負って海を渡ることで、上陸先の現地の方々も心を開いて親切に接してしてくれるんですよね。少しでも彼らと同じ目線に近づくためにも、便利な道具を持たないという選択は重要となる気がします。

 

荒れた海を漕ぎ渡っているときは写真を撮る余裕はない。写真があるのは穏やかな海況のときのみだ

 

―― なるほど……。だから、さきほどもおっしゃっていたように、日本ではGPSのデータと自分の感覚の誤差を埋めるようなトレーニングをなさるということなんですね。ちなみに、次の冬も遠征に?

 

佐藤 はい、その予定です。まだおおまかにしか決まっていないんですが、次はインドネシアの西パプア州をスタート地にしようと思っています。そこから南側に下ってセラム海を横断する、おおよそ30日間の旅の予定です。

 

―― 30日……! あとから振り返るためのGPSログはもちろんそのときも取る予定ですか?

 

佐藤 もちろん! 今回Amazfitを使うことになって、これまでよりはるかに省エネでGPSログを取ることができるようになり、積んでいくバッテリーにも余裕が出る気がしています。ありがたいです。

 

―― ……ちなみに、みなさんお子さんは?

 

南平 全員いますよ。運天は3人いますが、一番下はまだ3ヶ月になる0歳児ですね。

 

―― ええ! お父さん、無理しないで! 運天さんはもうAmazfitの画面にお子さんの写真を載せて、パドリングの最中ずっと見える状態にしていてください(涙)。成功させて、ぶじ帰ってきてほしいと心から思います。みなさん、どうもありがとうございました。次回の遠征報告も楽しみにしております!

 

―― 一同 ありがとうございました!

 

 

(出演・写真=旅ねしあ、聞き手・文=福瀧智子)